五節句の「節」は季節の変わり目という意味があり、
「節句」は季節の節目に神様に、五穀豊穣、無病息災や、
子孫繁栄などを祈りお供え物をしたり、邪気を祓ったりする行事のことです。
また、奇数は縁起のいいい陽数、偶数は縁起の悪い陰数と考えられており
奇数の連なる日をお祝いしたのが五節句の始まりです。
今でも毎年の恒例行事として、生活に根付いたものになっています。
中国では一月の元旦から六日までの各日に
動物を当てはめた占いが行われていました。
そして七日には人を占っていた為、
その日を人を大切にする節句にしたと言われています。
また七草粥を食べて一年間病気をせずに元気で過ごせるようにと
願う日で、「七草の節句」とも言われています。
「上巳」とは旧暦三月の最初の巳の日こと。
のちに行事の日付が変動しないよう、三月三日となりました。
もともとは女の子のお祭りではなく、
春を寿ぎ、無病息災を願う厄祓い行事だったのです。
旧暦三月三日は桃の咲き始める季節だったことから、
桃の節句とも呼ばれるようになりました。
「端」とは初めを意味する言葉で、「午」は五と同音であることから、
初めの午の日のことを、端午といっていました。
五月は季節の変わり目で、病気をしやすかったことから悪月とされていました。
そこで魔除の薬草である菖蒲を使った菖蒲酒を飲んだり、
菖蒲枕に眠ったり、菖蒲湯に入浴したりして邪気を払い無病息災を願いました。
生命力や成長が早い笹竹に、
願いごとを書いた色とりどりの短冊や飾りをつるし、
星にお祈りをすると願いが叶うといわれてきました。
また、織姫と彦星が一年に一度会う日です。
子供のころ、たくさんの短冊をつるして
織姫と彦星にお願いごとをした覚えはありませんか?
菊が最も美しい季節であることから「菊の節句」とも呼ばれています。
菊の香りが邪気を祓い、長寿をもたらすとされており、
お酒に菊の花を浮かべた菊酒を酌み交わして長寿を祈ったり、
菊の花を愛でるということが、行われたそうです。
また栗ご飯や茄子料理を食べる風習もあり
長寿を祈った重陽の節句にふさわしい食べ物を食べる習わしがあります。